あなたは仕事で上司や先輩への報告やプレゼンで苦い思いをしてきたことはありませんか?一生懸命伝えたのに「で、結局何がいいたいんだ?」「言いたいことがよくわからない・・」と言われると、自分の頑張りが全て崩れたような感覚になります。
伝わる話し方には重要な型があります。この型を知らずに自分の思ったままを伝えようとしてしまうと「何を言いたいかわからない」と相手に言われてしまいます。このような悩みを解決してくれるのが本書の『1分で話せ』です。
著者の伊藤羊一さんは、東京大学経済学部を卒業後に1990年日本興業銀行入行します。2015年にヤフー株式会社へ移ります。企業内大学Yahoo!アカデミア学長として次世代のリーダーの育成に従事された人を育てる・人に伝えるプロです。
この記事では『1分で話せ』の内容を要約しながら、誰でも実践できるように具体例を織り交ぜながら解説していきます。
自分で本一冊を読まなくても重要な部分が分かり、読んだ後から実践することができます。
『1分で話せ』の結論
型にはめて話すことで、誰でも伝わりやすい構成で話すことができる。
型にはめてシンプルに伝えることで、相手を自分が望む場所へ動いてもらう。
1分でまとまらない話は結局伝わらない

1分で話せないことは結局伝わりません。逆に言えば、どんな話でも1分で伝えることは出来ます。結局説明が長くなると、聞いている人は別のことを考え始めたり、どこが重要かがわからなくなるからです。
伝えるための基本事項
まず相手を動かすことを意識する、これが重要です。言葉を使ってあなたが望むゴールに動かすことで、自分が望んでいる行動をしてもらいます 。
具体的に考えることは以下の5つです。
- 相手の立場
- 何に興味があるのか?
- どんなことを求めているか?
- 専門的な要素はどのくらい理解できそうか?
- なにをどんな言い方をしたらネガティブな反応をするのか?
根拠は3つ用意します。根拠が1つだと心許ないが、話が長い人は根拠をたくさん話して重要なポイントがわからなくなるので、まずは3つを意識してください。
著者の伊藤さんは講演をするなかで気づいたことがあるそうです。「理由は3つあります」と指をだすと、聞いている人はメモの準備を始めるそうです。これは驚くほどに効果があり、何度もこのような場面を見てきたと本書に書かれています。
左脳と右脳に働きかける
人は左脳でロジックを理解して、右脳でイメージすることで初めて行動できます。どちらか片方だけでは行動する気になりにくく行動してもらうことへつながりません。

言ってることはわかるんだけど・・・

いまいちピントこないのよね
本書に書かれている型にはめるだけで、簡単にこの問題を解決することができます。
ピラミッドストラクチャーを使う
話が伝わらない人や1分で話せない人は、てっぺんがないピラミッドになっていませんか?てっぺんのないピラミッドは結論がなく、理由だけがある状態です。
たとえば、こんな状態です。

課長、〇〇さんがいいと言ってました。

課長、〇〇の数字が上がっています。

で、なにを言いたいのかな?私はその報告だけ聞いて何を判断したらいいの?
このように、事実だけでは聞き手側は判断するのに困ってしまいます。
解決方法としてピラミッドストラクチャーを利用してください。

上記の図のように、ひとつの主張に3つの根拠を用意します。
結論⇨根拠①、根拠②、根拠③
結論があり根拠が複数ある
ピラミッド型で主張と根拠を整理して、結論と根拠のセットで考えます。キーポイントはピラミッド型に合わせて、ロジカルにストーリーを考えることです。

ロジカルって聞いたことあるんですけど、なんですか?

ロジカルシンキングなどがあるけど、まずは意味が繋がっていればロジカルだと思ってくれたら、それで大丈夫よ。
1分で誤解なく伝えることが重要で、主張と根拠を伝える時に意味が繋がっていることで相手に伝わるようになります。意味が通じているかを決めるのは相手なので、「伝えたつもり」の状態になっていたら実際相手には伝わっていないことになります。
型にはめてロジカルに考える癖をつけることで、色々な場面で応用したり練習したりすることができます。ビジネスだからロジックを理解してもらうことは重要ですが、ロジックだけで話されると「理解したよそれで?」となっていまいます。
ロジックだけでは人は動かないし情熱だけでも人は動かない。正しいことを言って人が動けば苦労しない、というのはこの記事を読まれているみなさんも経験があるのではないでしょうか。
ロジックを左脳で理解して、成功を右脳でイメージして人は動く
いらない言葉は削る
報告や説明、プレゼンなどを行う際に不必要な言葉を使っていませんか?相手に伝えるときはシンプルにわかりやすく伝えることが重要です。
長い説明や、意味の分かりづらいカタカナ言葉などは聞いてる側にとって混乱の元になります。
3つのポイントを意識するだけで伝わりやすさを改善することができます。
- 『基本的に』は使わない
- 簡単な言葉を使う
- 頑張った話はしない
この3つのポイントを意識するだけで、あなたの話は短くスッキリと相手に伝わりやすくなります。
『基本的に』は使わない
すっきりと伝えるために「基本的に」は不要です。保険をかけるように伝えているから「基本的に」が必要になるので、基本でない場合のことを述べないのであれば不要な言葉になります。

店員さんに、商品の説明を聞いたりすると「基本的に」ってよく使ってますね。

たしかに使ってるね。「基本的には問題ありません」と言われるけど、どんなときに問題があるかは教えてくれなかったりするね。
業務上で断定したことを言いづらい仕事の人たちは「基本的には」と使ったりしています。対お客さんだから保険をかける意味で使われており、上司や先輩への報告では不要です。むしろ問題点として、話をわけて報告することで伝わりやすくなります。
『簡単な言葉』を使う

カタカナを使いすぎないことはわかりやすい説明の第一歩です。私たち日本人はカタカナよりも感じよりも『ひらがな』が分かりやすい傾向にあります。
説明する時にわからない単語が二つ三つ出てくるだけで、人は相手の話を聞くことが嫌になってきます 。この時点で説明する側に問題があり、カタカナ言葉は便利ですか相手に伝わらなければ意味がありません
たとえば、「ブラッシュアップしていきます」を「磨いていきます」に変えます 。「ブラッシュアップ」よりも「磨いてきます」の方が初めて聞く人にとってもわかりやすいのではないでしょうか 。
『頑張った話』はしない
上司や先輩に報告するときに、自分が頑張ったことを先に報告する人です。これは必要ありません。なぜなら頑張った過程が欲しいのではなく、先に結果を知りたい上司・先輩は「で、結果は?」と聞くことになってしまいます。
たとえば、よくある頑張った話として自分がどれだけ調べたか、何を考えたのか、これらを結論よりも先に出てしまうと「結論を先に話してくれ!」と相手に伝わらないどころか、注意される原因を作ってしまいます。

リーダークラスの人でも話が長かったり同じようなことを満足するまで話したりで、聞いている部下・後輩側も「何が言いたいんだろう?」「話が長くてわかりにくいな」と感じています。
お互いのコミュニケーションをスムーズにするためにも、頑張った話はあとの休憩時間に回して結論から話しましょう。
プロセスについては相手から尋ねられたときに、初めて話すようにしましょう
「考える」とは知識と情報を加工して結論を出すこと
間違った認識として多いのは事実やデータは結論ではないということです。
結論を出すためにはどうすれば良いのか?それは自分が考えたことに対して「本当にそうか?」「だからなに?」と自問自答して磨き上げていくことです。これで事実やデータの報告で終わるということがなくなります。
たとえば、事実やデータだけの場合だと

〇〇の売り上げは上がっています!
これで終わりなので、結局それを報告された上司は「どうしたらいいんだ?」と自分で考えなくてはならず手間が増えてしまいます。
しかし、先ほどの自問自答を入れて考えて結論をだしてみます。

現段階ではBのプランを優先するべきです。分析したのですが、Aはこんな状況でBはこんな状況なのでBの方が〇〇の点で優れています。
考えるとは、自分の中にあるデータや自分の外にあるデータを加工しながら結論を導きだすことです。
すべての報告やプレゼンはゴールを達成するためにある
報告やプレゼンを通して、どういう状態に持っていくのか?どこをプレゼンのゴールとするのか言語化してみましょう。実行するために何を伝えればいいのか?言語化して考えることで次の行動が見えてきます。
たとえば、以下の3つがあります。
- 賛成でも反対でも何か意見を表明してくれればいいのか
- 利き手が賛成してくれたらいいのか
- 聞き手に動いてもらう必要があるのか
これはプレゼンだけではなく、一緒に働くチームないのメンバーを動かしたいときや、家庭内で旦那に家事をしてもらいたいときを思い浮かべてみるとわかりやすいと思います。
たとえば、とある案件で上司に動いてもらいたいことがあるとします。

Aの案件で、〇〇会社にも連絡をしたいのですが、課長は付き合いが長いと伺っているので、課長にお願いできませんか?

わかりました、私から連絡しておきます。
プレゼン後に『連絡を取りたい』という目的があり課長に行動してほしいという望みを叶えるためには、直接伝えてしまいましょう。「あ、そこなら私(課長)が付き合い長いけど、見守った方がいいかな?」と考えていた場合、何も伝えないと全て自分で行わなくてはいけません。
誰になにをしてもらいたいのか?を明確にして伝えることが重要です。
1分で話せを読んで私のアクションプラン

型にはめて話すことを徹底する。
- 会社で上司への報告や提案は、結論と根拠3つを用意する
- 嫁に交渉するときにも、結論と根拠を3つ用意する
- Twitterの投稿にも反映してみる
この3点を実践して『1分で話せ』を自分のスキルにします!
『1分で話せ』まとめ

結局は相手に動いてもらうことが重要で、綺麗に話すことが目的ではありません。ゴールはなにかの形で相手を動かすことで、相手が動かなければ意味がないのです。
なぜ、伝えたいのか?それは相手が自分が望む場所にいないからです。
伝えるときは、結論⇨根拠①根拠②根拠③を組み立て伝えることで誰でもわかりやすい伝え方ができます。
コメント